お豆腐屋さんが飲み屋さんになるのも面白い。西武池袋線のひばりが丘駅から南に5分ほど歩いたところにある福島屋さん。小さな店で、知っている人は少ないが、常連さんでいつも満員。友人に誘われて行ったのが始まりで、行くのが楽しみなお店だが、住まいや仕事場を考えると、中々行き難い場所でもあります。それでも、久しぶりに訪ねても、みんな私の事を覚えていてくれて、歓待してくれるから嬉しいのです。
お豆腐屋さんの入り口とは別に、立ち飲みのカウンターのある入り口があって、中に入ると、元気なママが迎えてくれます。ここで飲めるのが、焼酎に豆腐を作る時に出来る豆乳を入れる豆乳ハイ。濃厚な豆乳で割るので、最初は抵抗のある人もいるようですが、慣れるとこれが美味しいこと美味しいこと。水割りとかお湯割りと違って、とても柔らかな飲み物になるので、女性の方も好んで飲んでいます。もちろん、豆乳以外にもビールや日本酒なども置いていて、これが実に安いのです。あの森伊蔵だって620円で飲めるし、久保田の百寿・千寿・万寿の飲み比べなんて言うのも1000円です。
流石にお豆腐屋さんですから、湯葉や卯の花、厚揚げや油揚げがんもどき等もありますが、やっぱりお豆腐でしょう。木綿・絹・まるなどお好みで食べられます。ヘルシーな飲み屋さんですが、ついつい飲み過ぎてしまうお店でもあります。
混んでくると、ここの常連さん達が、「ダークするよ」と声を掛けあいます。すると皆さんそれまで、カウンターを真ん中にはさんで、向かい合って正面を向いているのですが、一斉に斜めに構えます。すると斜めになった分スペースが出来て、後から来たお客さんが入れるのです。最初な何のことか判らなかったのですが、これはコーラスグループの「ダーク・ダックス」から来た言葉でなのです。ダークの皆さんが歌っている姿を思い出してください。この店で、ダークに参加できるのも、嬉しい事の一つなんですよ。